後味の悪いタイトルマッチ

<亀田興毅>フアン・ランダエタに判定勝ち 新王者に
 現在のボクシングの採点はマストラウンド方式という方式で実施されている。イーブンはつけず、必ずどちらかに振り分けるというやり方である。昔だとイーブンをつけていたラウンドにも10-9をつけるので、意外な判定になることがある。亀田の勝ちにしたジャッジは、亀田の単発の大きなパンチを評価したということだろうし、ランダエタの勝ちにしたジャッジはランダエタの細かいパンチを評価したということだろう。いずれにしても、ランダエタ側からのWBAへの提訴は必ず行われるだろうし、WBAからの再戦の指示は避けられないだろう。
 結局、楽な相手とばかり戦ってきたツケが回ってきた感じだ。判定は亀田に上がったが終始主導権を握っていたのは、ランダエタのほうだし、ダウンももらい、パンチも効かされたのは亀田の方だった。ハードパンチャーのはずの亀田のパンチは、最軽量ミニマム級上がりのランダエタをぐらつかせることすら出来なかった。
 初防衛戦はランダエタとの再戦になると思うが、今のままでは勝てる可能性は低いだろう。それともランダエタの実力に恐れをなして、このタイトルもOPBFのタイトルと同じように返上するのだろうか。
 サンスポのサイトの「亀田興毅が疑惑の判定で世界タイトル獲得」という見出しには笑った。思わず本音が出てしまったという感じ。その後訂正されたようだが。まあ、協栄ジムなり、TBSなりが不正行為」を働いたという明確な証拠はないので、「疑惑」というのは少しやりすぎの気がしないでもないが。
 いずれにしても、非情に後味の悪い世界タイトルマッチではありました。 
この記事をよく読むとランダエタはWBAに抗議する気はないとのこと。なぜかなあ。明らかに判定を盗まれていると思うのだが。
劣勢明らか あきれた亀田王座判定
 情けない。久しぶりにこれほどの「ホームタウン・デシジョン」(地元判定)を見た。残念ながらホープ亀田の勝利を素直には喜べない。
 誰もが完敗と思った試合展開だった。1回、ランダエタの右フックを浴び、亀田は痛烈なダウンを喫した。スタートから動きが硬く、ペースを握れないまま機先を制せられ、序盤がすぎた。
 中盤以降、亀田も打ち合う姿勢を見せたが、決定打はない。10回以降はほぼ一方的に攻め込まれた。最も不可思議なのが最終12回の採点。何とジャッジの1人が亀田の10—9としている。逆の採点で当然だったが、それなら引き分けとなる。首をひねらざるを得ない。
 規格外の男の世界王座獲得は多くの問題点を残した。まず、この判定をファンが喜んで受け入れるだろうか。あきれたファンも多いはずだ。
 ボクシング人気は1980年代から低下してきたが、理由の一つが「地元判定」だった。業界は襟を正して再生に取り組み、おかしな判定は減少傾向にあったのに…。
 亀田の将来を考えると敗戦を味わい、悔しさを「良き糧」にした方がよかったのではないか。どう”汚名返上”するのか。(津江)
 ▽最後まで安いドラマだった
 漫画家やくみつるさんの話 亀田選手は押されていて、負け試合だと思った。ホームアドバンテージで勝ったのだから、試合後は少し口をつぐんでいろと言いたい。若いのに口の利き方を知らない亀田選手を正当化されてたまるかと思い、相手選手を応援したが、決定打が足りなかったのだろうか。泣きながら父親にチャンピオンベルトを巻くシーンなど、最後まで安いドラマを見せられた感じがする。礼儀を知らない選手を受け入れる世間の風潮にも問題があると思う。
 ▽親子の力が見えた気がする
 ノンフィクション作家長田渚左さんの話 踏ん張って踏ん張って前に出て、ベルトをつかんだのは亀田選手らしい。ひ弱な選手だったら、第一ラウンドのダウンで立ち直れなかった。親子のきずなが薄くなっているこの時代に、親子の力が見えたような気がする。ほえたり、ビッグマウス(大口たたき)だったりするのは亀田選手のポーズで、実は猛烈に練習し、がむしゃらに生きてきた。今日のファイトは大勢のファンの前で、強いよろいを着けるというより、本来の優しい少年に戻っていた。(中国新聞)

<亀田興毅>立ち上がりにダウン喫した「浪速乃闘拳」
 立ち上がりにダウンを喫した「浪速乃闘拳」が、粘りに粘って世界タイトルを手にした。2日、横浜市の横浜アリーナで行われたプロボクシングWBAライトフライ級王座決定戦で、判定勝ちした亀田興毅選手(協栄ジム)。強気のパフォーマンスで話題を振りまいてきた人気者のファイトに会場は大きな盛り上がりを見せたが、ジャッジの判定は、2対1と割れた。相手のフアン・ランダエタ選手(ベネズエラ)が有利にも見えたことから、疑問の声を上げるファンや専門家もいた。
 テレビで観戦した元WBC世界ライト級チャンピオンのガッツ石松さんは開口一番に「まいったね。なんでこの人が勝ちなの」と判定に不満を示した。ガッツさんの判定では、ランダエタが7ポイントもリードしていたという。
 そのうえでガッツさんは「亀田兄弟は人気があるかもしれないけど、この試合で勝てるのなら、ボクシング界は何をやっているのかと思われる。日本人は立っていれば、チャンピオンになれるの? 全世界のボクシング関係者に見せて、判定してもらえばいい」と首をかしげた。さらに「日本のボクシングはタレント養成所ではない。これがまかり通るなら、僕はボクシング関係の肩書は何もいらない」と怒っていた。
 漫画家のやくみつるさんも「非常に不愉快なものを見た。実況も最後の方は負けモードだったし、こういう判定になるとは。判定後の(亀田選手の)態度も疑問。あの場では勝者の振る舞いをしないと格好がつかないところもあるだろうが、大口をたたける試合内容ではなかった。態度を改めるべきではないか」と厳しく指摘した。
 一方、元WBAジュニアミドル級王者、輪島功一さんは「亀田選手は前半、悪かったが、中盤から盛り返してがんがんに攻めて最後までよく頑張った。引き分けかなとも思ったが、勝ちに値する戦いぶりだった。(苦戦の理由は)今までやってきた相手とあまりにも差がありすぎ、(戦い方を)考えていなかったこと。これからは世界王者。どんな相手ともやらないといけないのだから、よく考えて戦わないと」と一定の評価を与えた。
 ▽亀田興毅選手の話 KOばかりだったから、判定は緊張するなあ。最初、(判定で)ランダエタの名前が挙がって「やばい」と思ったけど、手元にベルトがあるからなあ。(毎日新聞)

 さすがにあの内容では擁護しきれないらしく、批判的な記事も目立つねえ。毎日新聞は、具志堅発言を載せた経緯があるだけに、擁護はしないはなあ。中国新聞も毎日新聞も正論だし、ガッツ石松氏ややくみつる氏のコメントが大多数の意見を代弁しているだろう。協栄ジムはまたこの記事に抗議するのか見物ではあるが。

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